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【開業経営コラム】物件選びで失敗しないためのチェックリスト

2025年12月09日（火）

こんにちは！大阪飲食店開業支援センターの中野です。
　
　飲食店の成功を左右する要素はいくつもありますが、その中でも“物件選び”は圧倒的に重要です。料理やコンセプト以前に、立地や条件が合っていない物件を選んでしまうと、どれだけ努力しても数字がついてきません。
特に小さな個人店では、物件の良し悪しが売上と支出に直結するため、慎重に見極めることが欠かせません。
本コラムでは、開業前に必ず確認しておきたい“失敗しない物件チェックリスト”をまとめました。

1. 家賃は売上の8〜10％以内に収まるか

　飲食店で最も重い固定費が家賃です。目安は「売上の8〜10％」。このラインを大きく超える物件は、そもそも利益が残りにくい構造です。たとえば家賃20万円なら、少なくとも月200〜250万円の売上が必要。席数、回転率、客単価から逆算して現実的かをチェックしましょう。“好きだから契約”はもっとも危険なパターンです。

2. 想定客層が本当に通る場所か

　通行量が多い、駅近〇〇分＝良い物件ではありません。大切なのは「自分のターゲットが通っているか」です。ランチがメインなのにオフィス街から外れていれば苦戦し、夜主体なのに住宅街の奥では集客が難しい。時間帯別に実地調査し、「誰が」「いつ」「どの方向に」歩いているかを確認することが欠かせません。
当センターのお客様も例外ではなく、駅近や人通りが決して多い場所で開業したわけでもない個人の飲食店様が好調だったりもします。結局は提供する商品や空間がその周辺のニーズに合致するかが最重要なのです。
目的来店が見込める強烈な商品を持っている方などは逆に中心部から離れている方が差別化が図れるケースもあります。


3. 近隣競合は“脅威”か“味方”か

　競合が多い場所は一見不利に見えますが、必ずしも悪いわけではありません。外食ニーズが強いエリアには店が集まりやすいため、むしろ“飲食目的で来る人”を取り込めるメリットもあります。問題なのは、自店のコンセプトと明確にぶつかる競合が隣接しているケース。価格帯・ジャンル・雰囲気を比較し、自店が選ばれる余地があるかを冷静に確認しましょう。


4. 導線・厨房スペースは本当にオペレーションに合っているか

　意外と軽視されますが、導線の悪い物件は日々の負担が倍増します。客席と厨房の距離、配膳スペース、仕込み場所、冷蔵庫の配置などを現場で具体的にイメージしながら動線をチェックしましょう。ワンオペ・少人数営業の場合、導線の悪さは“売上の上限”を決めてしまいます。


5. 設備状況：ダクト・給排水・電気ガス容量は足りているか

　ダクトの位置や強さが足りないと煙が抜けず、改善にもコストがかかります。また、電気ガス容量や給排水の状態が不十分だと、厨房機器が置けない場合もあります。飲食店は「あとで追加すればいい」が難しい業種なので、内見時に必ず専門業者の目で確認してもらうのが安心です。


6. 視認性・間口・看板の出しやすさ

　「見えるかどうか」は集客力に直結します。大通りから見えない、看板が制限されている、入口が分かりづらい、といった物件は認知が伸びにくい傾向があります。特にオープン初期は「まず存在を知ってもらう」ことが最優先。視認性の悪さは広告費で補う必要があり、その分リスクも増えます。


7. 商圏人口と距離感のバランス

　徒歩5〜10分圏内に住む・働く人の数が、店の基盤です。「来てほしい客層」が実際にこの商圏内にどれだけいるのかを調べてみましょう。小さな店ほど、すぐ近くの住民・勤務者からの支持が生命線になります。


　物件選びは、料理や内装より“先に決めるべき商売の土台”です。
いい物件は早い者勝ちですが、焦って失敗するとリカバリーはほぼ不可能。
今日のチェックリストを活用して、自分の店に本当に合う場所を見極め、後悔のない開業につなげてください。

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